陸・海・空からアプローチ!離島を結ぶドローン物流航路の実現

株式会社かもめやは香川県高松市に本社を構え、香川県三豊市本土と粟島を結ぶドローンによる定期物流航路を2021年8月に開設しました。

離島や僻地、山間部といった物流の不便なエリアに対して、陸・海・空からアプローチをして、課題解決に取り組んでいるベンチャー企業です。
代表取締役社長の小野正人氏に起業のきっかけや定期物流航路に対する想い、今後の展望をお伺いしました。

 

起業に至った背景

起業のきっかけは?

小野氏—
社会人になる前から離島や僻地をめぐることをライフワークにしていて、有人離島だと260箇所ほど回っていました。その頃から、いつか離島に携わる仕事がしたいと思っていました。

2010年に瀬戸内国際芸術祭という香川県沖の離島でやっているアートの祭典に参加する機会がありました。
このイベントにボランティアとして関わったのがきっかけで、香川県の高松市沖の離島に移住し、1年間程過ごしました。
その中で、自分自身だけでなく、周りにいる高齢者の方々が買い出しや病院へ薬をもらいに行く際の移動において不便さを体感し、これを解決、解消したいなと思っていました。

ちょうどその時期、Amazonが第一回目のドローンを飛ばしたというニュースが全世界で流れました。そのニュースで、空を飛ぶドローンというロボットがあるということを初めて知りました。
ドローンを使って荷物を運べるとしたら、今困っている課題を解決できるんじゃないかと思い立ったのが起業のきっかけです。

私は離島や僻地、山間部など自然がたくさん残っていて、昔の日本の風景が色濃く残っているような場所がとても好きなのです。
ドローンをやりたくてやっているというわけではなくて、ドローンは一つの解決手段だと思っています。

 

定期航路実現に向けて

定期航路実現への経緯は?

小野氏—
定期航路については、2,3年前から構想を考え始めました。ドローンを使って離島に荷物を運ぶことは2015年からやっていて、マルチローター以外にも、シングルローター・固定翼・電動VTOLなど、いろんなタイプのドローンを検証していました。
2015年にまずクラウドファンディングをやったあと、事業化をしました。
長崎県の五島市さんが私たちのプロジェクトを知って、五島列島でも瀬戸内と同じような課題を抱えているのでぜひ一緒にやりませんか?とお声掛けをいただき、2019年からは五島列島のドローン検証のプロジェクトとして経験や実績を積んできました。
2020年に初めて地元でもある香川県三豊市さんと縁ができて、五島市さんの実績をもとにこの定期航路のプロジェクトを実現することができました。
今回の三豊市で定期航路を始めたというプレスリリースを見た別のエリアの事業者さんから、三豊市でやっていることと同じことがやりたいというご相談をいただき、発注をいただいています。

 

定期航路実現に際し、大切にしたことは?

小野氏—
まず大前提として離島で事業をすることにおいて、「やっている」のではなく「やらせていただいてる」という気持ちで必ず関わることを大事にしています。
つまり、離島で暮らしている方と一緒に作り上げていくサービスだと思っています。

今回の定期航路も、ドローンで何を飛ばせばいいのか、将来的に何を運ぶと本当に助かるのかを考えて、日々アップデートをしています。

住民の方の声が全てだと思っているので、とにかくこだわっていることは、今あるものは壊さない、ということです。
例えば、定期航路でちゃんと船が走っているところには無理矢理ドローンの定期航路を入れる必要はないと思っています。
今船の定期便は全国的にかなり減ってきていて、定期航路の維持が難しくなってきている自治体がたくさんあります。
そうなったところはドローンの定期航路で埋めていくということをすぐにできるように準備をしています。

 

陸・海・空のドローンで課題解決

小野氏—
私たちは、船のドローンもやっています。空のドローンで全ての問題を解決できるとは思っていなくて、無線輸送船や地上走行ロボットにも取り組んでいます。
離島に住む方々が抱えている課題は、どの方法で解決できるかを考えながらやっています。

ドローンの技術に近いものを使って船の自動航行をさせる仕組みがあり、操縦者がいない状態で船の運行が可能になります。
現状、無人化できる船舶のサイズは小型船舶までです。船に人が乗らない場合は、船長資格をもった人がモニターの前で船の運行状況を監視している必要があります。

株式会社かもめや様ご提供

 

今後の展望

小野氏—
大阪万博が開催される2025年に「空飛ぶ車」と呼ばれている領域のパッセンジャードローンが、日本国内で飛ぶことになります。
これは中国のイーハン、ドイツのボロコプターと呼ばれているものです。

私たちが思い描いているのは5年以上先の将来についてです。例えば10年後、離島に住んでいる人、山奥でポツンと一軒家で住んでいる方、どんなところに住んでいても不自由なく暮らし続けることができる仕組みを提供することが私たちのミッションです。
そのためには、人も荷物も自由に24時間365日行き来ができるという世界を作るということが私たちが最終的に目指すビジョンです。

創業メンバーは皆、私と同じく離島暮らしが大好きだったり、地方で暮らしながら仕事をしたいという思いを持っています。
全員、島や海や山が大好きで、そこにいるおじいちゃんおばあちゃんと触れ合って元気にしたいとか、ずっと安心して暮らし続けることができるような、そういうことをやりたいと思っています。

今、私がいる香川県の三豊市ではワーケーションの取り組みを進めていて、私のプロジェクトに関わってもらっている何名かは拠点をいくつも持っています。五島列島だけでなく香川や岡山に拠点を持っている人がいるのです。
今後、プロジェクト毎に人材が必要となった時、スポット的に関わってもらうような人たちが増えていくことを想定しています。

そもそも、なぜこの仕組みを作っているかというと、私が将来的に離島とかそういう場所で仕事がしたいし、生活がしたいと思っているからです。
一箇所だけではなくて、例えば今日は〇〇島、明日は△△島にいるっていう状態を作りたいのです。
どこでも働ける場所があるということは大事ですし、そうなった時に自分が使いたい仕組みを今作っているとも言えますね。

 

まとめ

小野氏の「将来、離島や僻地、山間部といった自然豊かな土地で暮らしたい」という想いが今の事業を始めるきっかけとなり、また、そのエリアの暮らしをもっと便利にしたいというところからドローンの定期航路の実現にまで繋がったというお話が印象的でした。
ドローンは一手段として採用し、空を飛ぶドローンのみならず、海や陸の無人輸送についても構想があるというのが、日々ビジョンの実現に向けて動かれている情熱を感じました。

小野氏が自分の夢の実現のために仕事をしている姿にいろんな仲間が集まってきて、各々が本当に楽しそうに各プロジェクトに取り組んでいるからこそ、成功していくのだろうと想像ができました。
私共ドローンジョプラスもドローンを世の中に広め、「ドローンといえばドローンジョプラス」というビジョン実現のために、日々精一杯楽しみながら歩んでいきます。

 

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