世界を知る観光学者・廣岡教授に聞く!魅力的なプロモーション動画とは

京都外国語大学グローバル観光学科の教授を始め、関西を拠点に活動されている観光学者の廣岡裕一教授にお話を伺いました。
「大学の授業にドローンを取り入れたキッカケ」「世界に向けた今後の地域プロモーションにおける観光映像の可能性」「VRでの古戦場体験」といった、とにかく気になるトピックが盛りだくさんの時間でした!

今回は廣岡教授に伺ったお話についてご紹介いたします。

観光学者・廣岡教授にお話を伺いました

▲京都外国語大学 廣岡裕一教授

まずは今回取材のキッカケになった「学生の目線で観光プロモーション動画を作成する」授業についてお伺いしました。

廣岡教授―――
私の担当する授業の1つに、『コミュニティエンゲージメント』という講座があります。
この授業は本来ならグアムとベトナムで約6週間のフィールドワークをするはずでしたが、新型コロナウイルスの影響で渡航できませんでした。
そのため、急遽フィールドワークの実施場所を滋賀県に移し、学生目線での観光プロモーション映像を作ることに切り替えました。
授業の中ではドローン撮影も実施し、学生たちはやり始めると熱中していました。
あるグループは桜の見頃を待って再訪したり、それぞれがこだわりをもって複数回、現地に足を運び撮影と編集をしました。
その結果、滋賀県や大津市の観光関係者からの反応も上々でした!
その中でも地域交通政策課と京阪バスの担当者の方から、わざわざ大学まで足を運んで頂き「学生視点の新鮮さ」を特に評価して頂きました。

今回初めてドローン撮影を取り入れたのですが、やってみて分かった事に
「ドローンを飛ばして撮影したい!と思っても、どこでもすぐで飛ばせるわけではない」
という点です。

ドローン操縦士や技術があっても、自由に飛ばせるところは限られる。
今夏に実施する高島市では事前に撮りたいところを決めて許可を取ってから撮影に行こうと思います。

 

ドローン撮影の事前申請はたしかに大事ですね!
飛行許可に関するルールや申請方法など、詳しくはこちらの記事内でご紹介しています。
[clink url=”https://drone-girls.com/lets_drone/rule/drone_application/”]

 

日本の観光映像をもっと観光振興に!観光映像で世界進出も!?

カリキュラム変更を余儀なくされ、「観光映像を活用して地域にエンゲージメントする」という内容に至った背景をお伺いしました。

廣岡教授―――
海外の観光学者繋がりで、CIFFT(1)が企画する国際観光映像祭の一環であるポルトガルの観光映画祭に招待して頂きました。
私の主目的は観光学の発表でした。
日本における観光プロモーション映像というと、観光協会や自治体、DMO(
2)からの応募で占められているのに対し、海外ではホテルなどの民間業者も多く参加していることを知りました。

その後、継続して映画祭への参加を求められたので、当時和歌山大学で同僚だった木川剛志教授へお声がけをしました。
彼は大学教授を務める傍ら映画監督としても活動していたので、現地に行ってとっても感動し翌年以降は彼自身が映像を製作し、出品者として参加しました。
作品入賞とはなりませんでしたが、これがキッカケで日本観光映画祭(JWTFF)を実施することになりました。
私も第1回日本国際観光映像祭から日本部門審査員を務めています。

*1 CIFFT: The International Committee of Tourism Film Festivalsの略。UNWTO(The World Tourism Organization)認定の世界的な観光映像祭ネットワークで全世界15か所で観光映画祭をサポートしている

*2 DMO:Destination Management/Marketing Organizationの略。観光地域づくり法人(DMO)

 

廣岡教授の考える日本の観光プロモーション映像の更なる可能性とは?

廣岡教授―――
例えば、ホテルの観光プロモーション動画を作った時、日本ではホテルの「機能」について紹介することが多いのに対し、海外ではホテルの「コンセプト」をイメージとともに伝えていました。
イメージやコンセプトが伝わることで、興味を掻き立てられた人は「どんな機能があるのか?」「どんなところにあるのか?」など、自ら調べる次のアクションが生まれます。
また、自治体が作るものと言えばアテンション(関心)を引くもの、注目を集める映像作りには成功しても、そのあとの実際の行動「行ってみよう!」が引き出されているかと言えば疑問が残ります。
アテンションを引き、認知獲得に成功したら次は実際に足を運んでもらう必要があると考えています。
日本国際観光映像祭の審査員をやって感じたことは、「行きたい!」と思ってもらうためにはどんな仕掛けが出来るだろうということでした。
「観光プロモーション映像」を発信することで、もっと日本の旅館やホテル、民間の観光施設などが国際的な認知度を獲得することが出来ると考えています。

 

ドローン撮影の強みを活かす!!上空からの鳥瞰視線で楽しみたい観光地やVRとの組み合わせで輝く潜在的な観光資源

廣岡教授―――
観光映像の中でも今回で言えば、上空から撮影するのはドローンの強み、立体感を伝えることができます。
飛ばすと面白い映像が撮れそうな場所は、観光地がまずドローン飛行撮影の許可を出す。
そうすることで、肉眼では見れなかったものが自分が操縦したドローンを通じて見ることが出来ます。
例えば、仁徳天皇陵古墳や五稜郭。
これは山や滝といった自然資源やスケールの大きい観光資源にもいえることだと思います。

また、VRとドローンを組み合わせても面白そうですよね。
川中島や関ケ原といった誰もが学び知っている「古戦場」は、知名度があっても観光資源化されていないのが現状です。
川中島は知名度があるが、実際行ってみてもただの原っぱで何も面白くない(笑)地形を見ただけで、合戦当時の様子を想像するのはよほどの歴史学者でないと難しい。。。
だとしたらVR技術で目の前に合戦の映像が広がる仕掛けを作ってみてはどうか?
お互い発想がない者同士を組み合わせたら面白いことが出来そうですよね。

最後に

昨今のコロナ禍において苦境を強いられている旅行業界の中にあっても、新たな観光業の可能性に日々チャレンジされている廣岡教授のインタビューは終始ワクワク感を感じさせる時間でした!
ドローン撮影飛行のために
・「観光協会と航空局」がタッグを組む
・古戦場を新たな観光資源とするために「VR技術者と歴史研究家」が協力する
などそれぞれ専門分野の異なる者同士や、発想がないところを組み合わせたら面白いのでは?という発想に、お互いの良さを活かしあうコラボレーションの面白さと可能性を見させて頂きました。

私たちドローンジョプラスも「ドローン×女性」の理念のもと、新たなチャレンジを続けます!
ドローンジョプラスでは今後も様々な分野で活躍される方を取材、コラボレーションしていきます。
お楽しみに!

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