技術が進化し続けているドローンは、これからも色んな形で活躍する無限の可能性を秘めています。特に注目が集まるのが、各産業分野での活躍。一方で、法整備やマナー・安全面など、解決していくべき課題があることも事実です。2021年に予想するドローンとの未来をまとめました。
小さい頃にテレビを観ながら、某”ねこ型ロボット”に憧れた経験はありませんか?
同じように、今、ドローンの活躍に期待をしている人は少なくないかもしれません。
政府も推進している産業分野でのドローンの活躍、
そしてそのためにクリアすべきことは何なのでしょうか。
ドローンを使うことによって、人では難しかった場所の点検も容易に検査することが可能になりました。
例えば
今まで、目視で構造物の状態を確認する検査を行っていましたが、ドローンを活用することで、高い場所の構造物を目視よりも効果的に点検できます。
経済産業省でも実証実験を行っており、目視検査の代替可能性に関する考察もされています。
1)ドローンで確認出来たこと
・溶接線や壁面のスケールの付着
・堆積状況の確認
・大きな腐食部位や損傷状況の確認
・足場を要する高所(例えば天井の通気口内や、骨組みボルト)の劣化状況確認
・腐食配管サンプルを撮影し、配管の腐食・穴の有無の確認
・暗所でもドローン自身のライトを照射し、視認性を確保して検査が可能
引用:https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200327009/20200327009-4.pdf
ドローン点検において表面的な検査は可能ですが、照明やカメラの角度によって見えるものが違うので有効な撮影が大事になってきます。
また、ドローン点検は足場を置かずに高所を目視できるため、足場のコスト削減にもつながります。
農業の分野では、ドローンは導入当初から大活躍しています。
農薬散布、肥料散布、種まき、農作物の受粉、農作物の運搬、圃場センシング、鳥獣被害対策など様々な働きをドローンを利用してできるようになってきています。
また、農業分野でのドローンの技術革新も進んでおり、専用のドローンも次々と開発されているところです。
農業散布ドローンは決して安いものではありませんが、労働負担や人件費削減などで費用の削減に繋がり、利用している人も増えてきました。
国も大注目しており、農林水産省でも「農業用ドローンの普及拡大に向けて」取り組みがみられています。
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/pdf/meguji.pdf
これからも、農業の分野では目が離せないことでしょう。
農業分野でのドローンの活躍についてまとめた記事も書いているので、もっと知りたい方はこちら
ドローンの測量では特殊な画像やデータを取得することで、現地の様子を正確に把握することができるようになりました。
特に工事現場では、施工の進捗もドローンで把握することができ、工事現場の安全性の強化にドローンが役立っています。
ドローン測量に関係のある業種は、建築業者・コンサルタント、産業廃棄物業者、鉱山管理業者などがあります。
また、砂利や土砂、パルプなどを管理する必要がある現場などでも活躍が期待されています。
基本的に、ドローンによる公共測量を実施するには測量士、測量士補という国家資格が必要になりますので、必要な場合は、資格を取得しましょう。
ドローンには様々な機能が搭載されていて、レーザー測量(レーザー測距装置を使った測量)や写真測量(光学カメラを使った測量)といった専門的な測量も行うことができます。
現在はアプリも利用して自動操縦も可能です。
ドローンと測量についてもっと知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
ドローンは様々な大きさの機体があります。
屋内用ドローンは、ミニドローンやトイドローンという小型のドローンが多く利用されています。
外でも飛ばすことはできますが、機体が小さく軽いため風に流されやすいので屋内で使うことをおすすめします。
屋内用ドローンは、低価格で手に入り初心者の練習用目的で利用されることも多いです。
200g未満のドローンは航空法の対象外であるため、初心者の練習としては最適になります。
※規制が100gになる可能性もあるので、今後の法改正の動きに注意!
屋内には壁や天井、照明器具など様々な障害物があります。
ドローンや障害物を守るためにもプロペラガードを使用することをおすすめします。
操縦場所にも注意が必要であり、階段やキッチンなどリスクが考えられる場所での飛行は気をつけましょう。
ドローンをただ飛ばすだけでなく、アクセサリーを使用するとシャボン玉や射的など幅広く遊ぶこともできます。
ドローンでの楽しみ方が気になる方はこちら
出典:https://www.secom.co.jp/isl/research/drone/
防犯といえば、セコムが独自で「セコムドローン」という小型飛行監視ロボットを開発しています。
世界初の民間防犯用ドローンを開発していることで話題にもなっていました。
広い敷地を有する施設では、防犯カメラだけでは遠くにいる侵入者の特徴を捉えることが難しいという課題があります。
しかし、敷地内に待機したドローンが、異常発生時に現場に急行し状況を確認することでより安全なサービスを提供できます。
そしてこのセコムドローンには、IS研究所のさまざまな技術が活用されています。
引用:https://www.secom.co.jp/isl/research/drone/
ドローンを活用することにより、迅速な対応ができ安全なサービスを提供できるように考えられています。
異常があればすぐにドローンが駆け、不審者と遭遇しても危険を回避することができます。
ドローンによる防犯は既に実証実験がはじまっており、これからの活躍に期待です。
セコムのドローンについて情報をまとめた記事はこちら
ドローンといえば空撮が有名です。
200g以上のドローンで高性能カメラなどを搭載している空撮用のドローンもあります。
映画やCM、MVの映像制作にも最近は活用されています。
空撮では遠くからの広大な景色や、人の視点では見ることのできない映像が撮影できます。
空撮を使って思い出の動画を撮影したり、景色をいろんな角度から撮影したり、多彩な機能が搭載されているので面白い映像も作成できます。
また、人命救助や警備などにも空撮は活用することができます。
例えば、赤外線カメラを利用して災害対策に使われたり、ドローンでオフィス巡回システムを導入することにより警備の分野でも活躍が期待できます。
空撮といえば、ドローンジョプラスでは空飛ぶカメラツアーを定期的に開催しています。
旅行好きのメンバーが絶景スポットや映えスポットを厳選し、参加者と一緒にドローンを使って映像を撮影をしています。
綺麗な景色や人文字、集合写真を撮ったりと楽しみ方満載のツアーです。
是非一緒にドローンで素敵な撮影や思い出を作りませんか?
今までもいろんな場所で撮影しているレポートもあるので気になる方はこちら
ドローン空撮企画で綺麗な映像を撮影しよう|ドローンジョプラス (drone-girls.com)
ドローンの物流産業も進化しており、実用化もすぐそこまで来ています。
今までは、ドローンが前進する時に機体を前に傾けて飛行するため、同じように荷物が傾いてしまうという課題がありました。
しかし、開発された『4D GRAVITY』を用いた機体を利用すると、機体が傾いても荷物を水平に保つことが可能になります。
貫通ジンバル構造というドローンの飛行部と搭載部をジンバルで分離して、物理的に切り離した構造のことです。中心の軸とドローン本体を切り分けることで、ドローン自体は風で揺れても軸自体を安定させることができます。
2022年の法改正にて、飛行エリアは限定地域、郊外、都心部へ広がるとも言われています。
『4D GRAVITY』の技術が進み、実用化に向けて動き出しているところで、宅配や災害現場での今後の活躍が期待できます。
ドローンジョプラスでは『4D GRAVITY』について取材した記事があるので、詳しく知りたい方はこちら
これまで、検査、農業、測量、屋内、防犯、空撮、物流についてお話しましたが、そのほかにも色々なサービスがあります。
・医療分野でアフリカでは輸血用血液やワクチン、医療品の輸送にドローンが利用されています。今後、交通渋滞に悩まされる先進国や、過疎地医療の充実にも期待されています。
・ドローンレンタルサービスもあり、ドローンを購入せず、使用する時にのみレンタルできるようになっています。
ドローンジョプラスでもドロサツさんのドローンレンタルサービスを利用しており、ドローンを購入する前に一度飛ばしてから購入を考えたい人にもおすすめです。
https://www.drosatsu.jp/
・教育やトレーニングにも力を入れています。
今後、ドローンの活躍が見込まれており、操縦者を育成するドローンスクールもいくつかあります。操縦者や技術者を持たない企業向けに人材登録を行い、派遣するビジネスもあります。
ドローンジョプラスでも勉強会を行っており、座学で勉強した後にメンバーが操縦のコツをアドバイスしながら実際に操縦することができます。
気になる方はこちら
https://drone-girls.com/event/study/
・事故を未然に防ぐために点検・整備・修理をしてくれるサービスも存在します。機械を購入したらメンテナンスも大事になってきます。
ドローンに関連していろんなサービスが増えてきています。
それほど世の中から必要とされており、今後もどんどん増えていくことでしょう。
現在、農業分野の課題として、人材面や産業構造、初期費用など様々な要因から農業離れが進んでいます。
特にこれまで専門職でやってきた農業分野は、高齢化が進むにつれて人手不足が著しく、重労働でもあることから、慢性的な後継者不足に悩まされています。
また、新しい農地の確保や農業機器の購入といった高額な初期投資だけでなく、苗や種、肥料や農薬などの維持費もかかることから、農業ビジネスへの参入ハードルがさらに高くなっています。
そこで、農業分野でのドローンの活躍が期待されています。
ドローンの操作はシステムを搭載することで自動操縦も可能になり、これまで人の手で行ってきた農薬散布などの農作業もドローンが行うことで、生産性も向上しています。
また、足場の安定しない場所や人が通れないような場所など、これまで困難だった場所でも作業ができるようになりました。
今後、ドローンを導入することで低コスト・人員削減・環境改善などの効果が期待されています。
経済産業省では「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」において議論した結果、小型無人機の利活用と技術開発のロードマップを取りまとめています。
ロードマップとはドローン業界の飛躍に向けた計画案で、毎年協議会で議論され作成されています。
元々はドローンの配送を実現化していく取り組みとして始まったものですが、
現在は、物流・警備業・医療・災害対策・インフラ維持管理・測量・農林水産業の7種類に分類されています。
各分野でどのようにドローンを活用し、そのためにはどんな整備が必要なのかを細かく計画しています。
出典:「空の産業革命に向けたロードマップ2020〜我が国の社会的課題の解決に貢献するドローンの実現〜」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/pdf/siryou14.pdf
ロードマップをみてわかるように、利活用の段階をレベル1〜4で表しています。
・レベル1:目視内での操縦飛行
・レベル2:目視内飛行(操縦なし)
・レベル3:無人地帯での目視外飛行(補助者の配置なし)
・レベル4:有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(補助者の設置なし)
ドローン 産業の法整備を中心にいろいろな検証が行われており、段階に沿ってアプローチされています。段階のレベル4の実現に向けて整備を整えているところです。
出典:「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第13回)」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai13/siryou1.pdf
ドローン運用において課題も多くあり、その中でもプライバシーの保護が注目されています。
ドローンが飛び回る状態を想像してもらうとわかると思うのですが、自分がどこで何をしているのかが分かり、動画や写真に簡単に残すこともできます。
個人のプライバシーや情報漏洩を防ぐためにも、対策と対応が必要になってきます。
総務省でも「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取り扱いに係るガイドライン案が出されており、法律にも関わってきています。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000365842.pdf
規制をするためにも、法整備やマナーに対してこれからの課題になります。
いかがでしたでしょうか?
ドローン産業において、様々な分野でドローンが活躍していることが分かりました。
それに伴い新たなドローンビジネスも増えており、ドローンの需要が高まっているのを感じることができます。
今後ドローンが頭上を飛んでいることが当たり前になり、私たちの身近な生活を支えてくれる日も近いかもしれません。昔アニメや映画で見ていた世界に近づいているようでワクワクしますよね。
まだまだ課題もありますが、ドローンの技術開発は進み、法改正や環境整備なども着々と準備が進んでいるので、これからのドローンの活躍から目が離せません。