日本国内で戦後一気に普及が進んだ、橋やトンネルなどの公共インフラ。2023年にはその約39%が50年を経過すると見込まれており、急速な老朽化への対応が急務です。そこで注目されているのがドローンによる点検。迫りくる危機に、ドローンは終止符を打つのでしょうか?
皆さんこんにちは。
現在日本国内では、高度経済成長期に一気に整備された公共インフラが老朽化を迎えています。
私たちの生活を支える大切なインフラを支えているのは日々の点検。
しかし目視による点検ではあらゆる面でコストや危険を伴います。
そこで注目されているのが、ドローンによる点検です。
ドローン点検の現場の今と、今後の課題についても取り上げていきます。
高度経済成長期に多く建設された公共インフラですが、近年、老朽化により点検数が増えています。
例えば、道路橋に関しては、現在約73万本あり、そのうちの約25%が50年以上経過しています。
2023年には約39%、2033年には約69%が50年以上経過して老朽化すると言われています。
老朽化により、点検数が増えるだけでなく、危険性も増しているため、効率よく、安全に点検することが今後求められています。
そこで注目されてきているのが、ドローンを使った点検です。
ドローンを使うことによって、これまでハシゴ等を使用して点検していた手間や危険性を無くし、効率よく、安全に点検することが可能になります。
現在はまだ実証実験の段階ではありますが、業務の効率化を大きく改善することができるため、大きな期待がよせられています。
特に、トンネル等の点検はドローンを使う方法が最適で、高いところを点検することの多いトンネルは、従来高いところに上って目視での確認を行ってきました。
それをドローンを使うことによって大幅な効率化が期待されています。
現在では点検専用のドローンなども開発され、今後は点検現場に大きく貢献することが期待されます。
点検にドローンを導入するメリットはたくさんあります。
ここまで点検にドローンを使用するメリットなどをご説明してきました。
しかし、実証実験は行っていますが、まだ完全な実用には至っていません。
それは、ドローンを飛ばすことに関わってくる法律などの規制緩和やドローンの機体の精度向上が必要になるからです。
現在、ドローンを飛ばす際には、安全に飛ばすために航空法などの法律があります。
同様に公共インフラにもルールがあるため、まずはその航空法などの改定が現在検討されています。
法律の改定が行われることにより、今後、点検現場でのドローンの活躍が大きく期待されます。
また、点検用のドローンについても、ドローンを網の球体で囲ったりと安全性は考慮された作りのものが開発はされていますが、実際に実用するためには、雨や風等に耐える耐久性も必要になってきます。
実際の点検現場では、突然霧がかかるなどの気象変動の多い場所や山、突風が吹く海岸等で点検する場合もあります。
現在ではそういった環境に対応できるドローンはまだそれほど多くないため、突然の雨や風等に対応できるドローンが必要で、従来のドローンの耐久性をさらに上げることが今後改善点として上げられます。
現在、こういった課題についての対応が行われてきているため、近い将来、ドローン点検が日常化するのではないかと期待されています。
いかがでしたでしょうか。
ドローンが点検に使用されることが多くなれば、老朽化が進んでいるインフラの点検も効率よく行うことができるので私たちも安心して生活することが可能です。
高度経済成長期に設計された公共インフラが、あと数年で50%以上、50年以上経過することになります。
そうなると、従来のやり方ではコストだけでなく作業員にかかる負担も多くなっていきます。
今後、点検の現場に本格的にドローンが使用されると、ドローン点検が日常化することも期待できます。