空にイノベーションを起こす!株式会社空解の挑戦とは!?

株式会社空解は、2021年4月に「ドローンで世の中のお役に立ちたい」という思いを持った4名が立ち上げたベンチャー企業です。
名前の通り、「空を解く」、空の最適解を得るということで、ドローンを用いた空からのアプローチに特化されています。
ドローンを取り入れることで、僻地や被災地、超高齢社会地域への物資輸送の利便性向上や、温室効果ガスの削減、さらには非対面・非接触でコロナ対策としても期待されています。
今回は、株式会社空解の代表取締役・森田直樹氏に創業のきっかけやドローンに対する想い、今後の展望をお伺いしました。

 

ラジコン飛行機のトップ集団が結束!

代表取締役 森田直樹氏

森田氏—
物資を輸送するという観点で、本当に使える高性能なドローンをリーズナブルな価格で提供したいという思いから、長距離を飛ばせるドローンの開発が必要と考えました。現状のマルチコプター型ドローンでは飛行時間10-20分(荷物あり)で航行距離は約4キロ往復が限界です。
私たちは長距離航行が可能な固定翼を使用しているラジコン飛行機のトップパイロットと、トップエンジニアの集団です。その経験と技術を活かした長距離輸送の実現に向けて歩み出したのです。

 

軽さが性能を生む!20年以上のトライアンドエラーの先に!

森田氏—
飛行機の設計はどれだけ航空力学を用いて計算したところで、正直なところ、実際に飛ばしてみないと分からないことがたくさんあります。
私たちはラジコン飛行機の業界で20年以上のトライアンドエラーを繰り返して来ました。これは世界のドローンメーカーでも有数の実績かと思います。
そこで辿りついたのは軽さと安全性です。

その経験を元に、私たちは性能・価格・安全性・専門性を突き詰めた画期的な産業ドローンの開発に向けて動き始めました。

 

電動VTOLドローン「QUKAI FUSION」

森田氏—
マルチコプター型ドローンは操縦がしやすいですが、航続時間も距離も短く、長距離輸送手段としては不適です。一方、固定翼型ドローンは長距離飛行が可能ですが、100mの滑走路が必要で実用化を考えると現実的ではありません。

電動VTOLドローンは、マルチコプターと固定翼のいいとこ取りをしたドローンになります。
軍事ヘリのオスプレイみたいなもので、垂直に離着陸ができ、上空で固定翼による水平飛行に切り替えて航行が可能です。
しかし、設計難易度が非常に高く、製品化が困難と言われていました。

試行錯誤の結果、自社設計で世界最高峰性能の垂直離着陸型固定翼電動VTOLドローン「QUKAI FUSION」が完成したのです。

QUKAI FUSIONのスペック概要(株式会社空解様ご提供)

「QUKAI FUSION」は発泡素材構造で、保温能力と衝撃吸収力に優れています。
こだわった点は先にも述べました通り、軽さです。
軽いことで、航続距離が伸び、万が一落下したとしても被害を最小限に留めることができ、安心・安全に使用できます。
2022年12月の航空法改正で市街地上空の飛行が可能になれば、安全性を確保できることは重要になります。

プロトタイプで実験したのち、量産型も用意しました。使用用途によってはオーダーメイドで作製することも可能です。

 

ドローン長距離輸送の実現が山間部や地方を救う!

電動ドローン長距離輸送62km、日本記録達成

森田氏—
2021年7月17日には、銚子市の給食センターから河内町のドローンフィールドまでの62㎞区間を、1kg程度の物資輸送に成功し、長距離輸送の日本記録を達成しました。
62kmを50分で輸送することに成功したのですが、終了した時点でバッテリーはまだ半分くらい残っていて、もうプラス60km輸送可能だと考えています。

山間部や地方でものを運ぶのには航続距離が必要です。実際、この実験についてプレスリリースしたところ病院・医療関係者の方々から問い合わせがありました。
交通の不便なところに医薬品を定期的にドローンで飛ばせるようになれば、わざわざドクターヘリが出動する必要はなくなります。

実証実験の様子(株式会社空解様ご提供)

 

今後の構想について

森田氏—
今後は、例えばドローンで宅配をするサービスの実現に向けて進んでいきたいと考えています。定期便をいち早く実用化することで、ドローンの社会受容性を高めることができると思います。
以前、ドローンが官邸に落下した事件があったように、乱暴にドローンを使う人のせいでドローンのイメージが悪くなってしまったのが現状です。
厚労省からワクチンなど医療物資を運んでも良いというガイドラインが発表され、ドローンの実用化に向けて国も本格的に取り組んでいることがわかります。

空を安全に飛ばせるものを提供するというのが我々のミッションであり、その最終目標が「空飛ぶクルマ」です。

今ドローンの動力源はリチウム電池です。バッテリーの限界が飛行距離の限界となるので「空飛ぶクルマ」の実現に向けて、電気をどう供給できるかが鍵になってきます。

 

ドローンのオペレーターの育成が急務

森田氏—
私たちは模型飛行機自体が大好きで、飛ばすことも楽しんでいます。最高の機体を作って、みなさんに喜んでもらえることが何よりの幸せなのです。

最高の機体を作った時に必要になるのは、オペレーターです。マルチコプター型ドローンの操縦は比較的容易ですが、固定翼型ドローンや電動VTOLドローンとなると話が違います。毎週末練習しても、固定翼機の離着陸ができるようになるのに3ヶ月はかかります。オペレーターを育てていくのが、目下の課題です。

ドローンも車と一緒でナンバーがつくようになり、ドローンオペレーターが国家資格になる日も近いと考えています。国家資格となると、おそらく車と同じように全国に教習所が必要になってきます。そのあたりもサポートしていきたいと考えています。

 

まとめ

模型飛行機を作って飛ばすことが大好きなんだ!ということが、森田氏のお話されている姿から伝わってきました。
ラジコン飛行機を扱ってきたご経験をドローンに落とし込み、どうやったら定期輸送を実用化できるのかをずっと考えていらっしゃることが印象的で、私自身も実用化の大切さを再認識しました。
実用化によって、ドローンの社会受容性が高まり、ドローンが世の中により広まる。そして、ドローンオペレーターの資格が国家資格になる日も待ち遠しいですね。
ドローンジョプラスのメンバーからも国家資格取得者がどんどん出てくる未来が楽しみです。

 

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