ヘッドセット(ゴーグル)を装着したら、バーチャル世界にアクセス。まるでSF映画の一場面のようですが、そんな現実が今や私たちの目前までやってきていることをご存知でしょうか?
今回は上空から見た日本列島や各地の名所旧跡をVR空間に再現する
「Project JAPANELAND」を企画・運営しているVoxelKei氏にお話を聞きました。
『空』というキーワードから、VRとドローンのこれからがもっと楽しみになるお話を伺いました!
※画像はすべてVoxelKei氏提供
VRとは「Virtual Reality」の略で、「仮想現実」とも言われます。VRゴーグルという機具を装着すると、視界一面に立体空間が広がります。VR同様、立体的に映像を映し出す3D技術があります。3Dがディスプレイの中だけの空間に限定されるのに対し、右を向けば右側にある景色が見え、上を向くと上の景色、という風に上下左右、自分を中心とした全方位にバーチャルな空間を再現できるのがVRです。今までにない「映像の中に自分が存在している没入感」を楽しめるのが大きな魅力と言えるでしょう。
そんなVR空間を舞台に壮大なチャレンジをされているVoxelKei氏に、さっそく「Project JAPANELAND」についてお伺いしました。
VoxelKei氏:このプロジェクトは兼ねてから実現したいと思っていた「いろんな場所や風景を立体化したい」という自分の想いを、VRChatというサービス上にある日本列島をベースに再現する取り組みです。当初2017年に作成、発表した「日本列島VR」は一人で空を飛ぶ、言わば一人用でしたが、VRChatのサービスを利用することで複数人で同時に楽しめるマルチプレイを実現することが出来ました。
▲日本列島上空1万メートルで集合している様子
PROJECT JAPANELAND とは
VR空間上に構築された「JAPANELAND」という2万分の1スケールの日本列島の上に、各地の現実の空間を立体的に再現したワールドを繋げて行こうというプロジェクトです。
(引用:https://sites.google.com/view/project-japaneland)
VoxelKei氏:ライフワークとして一人で始めたことがスタートでしたが、現在では約15名ほどのクリエイターが参画しそれぞれの作品を提供しています。
「Project JAPANELAND」上で再現されている場所は様々で、日本各地の有名な観光地「日光国立公園」、「京都・伏見稲荷」や「高輪架道橋(別名:提灯殺しのガード)」といった面白スポットのほか、「海面が50m上昇した架空世界の渋谷」といったVRならではの世界観も表現されています。
「海面が50m上昇した架空世界の渋谷」(Project JAPANELANDより)
最新技術を駆使しVR空間を作り出しているVoxelKei氏ですが、実はCGデザインもプログラミングも趣味が高じて独学で習得をされたそう。
VoxelKei氏:学生時代は機械工学が専攻。高校時代からCGを好きでやっていたこともあり、就職は業務用シミュレーターのメーカーへ。そこでは航空会社や鉄道会社に納品する訓練シミュレーターを作っていて、ビジュアル部門でCG映像の制作をしていました。独立後は、実現したヴィジュアルを載せるアプリケーションを開発する必要があるとアプリケーションについて独学で学び始め、VRについて学び始めたのはここ4~5年です。
独学でここまでの作品を作るのに相当な時間と労力を投じてきたことは明らかですが、「もともと好きだったからその延長線で」と言うその一言にVoxelKei氏の製作に対する情熱を感じました。
ご自身も3台のドローンを所有されているVoxelKei氏、ドローンに期待することから今後のVRとドローンの可能性についてお話頂きました。
VoxelKei氏:ドローンに興味を持ったのはラジコンが好きだったことと、実際の空間を立体化する仕事柄「この屋根の上の模様はどうなっているんだろう?」と思った時に、それを確認するにはドローンが適任だと思いついたことでした。ドローンで収集した膨大な画像データを、フォトグラメトリという機能を使うことで3DCGへ変換することができます。例えば、出かけた先で撮影したデータをVR空間に再現し、今度は家にいながらVR上で再訪体験ができます。これは一例ですが、活用方法はまだまだあると思います。
なんとも面白そう!!アイディア次第でこれからどんどん新しい用途が広がりそうですね。いずれドローンジョプラス主催の空撮会で撮影したデータをVR空間に再現し、次のメンバーミーティングはVR上に再現された空間に集合、なんてことも出来るかも?!
VoxelKei氏:VRChatにはそこに住人がいて、常に誰かがいる。ここに集まるクリエイターを中心にVR世界での経済活動が生まれることを期待しています。技術が集結するプラットフォームはまさに映画「レディー・プレイヤー1」や「ソードアートオンライン」の世界そのものです。
最後に「(VR空間を)いつでも案内しますよ!」とおっしゃって下さったVoxelKei氏。想いとこだわりの詰まったVR世界を製作者のVoxelKei氏と一緒に体感したら面白さも倍増、参加してみたくなりますね。
「Project JAPANELAND」があるVRChatは参加無料、「VRモード」と「デスクトップモード」の設定があります。「デスクトップモード」はVRゴーグル不要で、平面上に再現された世界を楽しむことができます。VR空間の魅力を100%体感するには到底至りませんが、まずは雰囲気だけでも感じてもらうことができます。
近い将来、VoxelKei氏や皆さんとVR空間でお会いできるを楽しみにしています!
Project JAPANELAND
https://sites.google.com/view/project-japaneland