ドローン新時代を「空の道」で切り拓くトルビズオンの増本氏が語るドローンの魅力とは

ドローンが私たちの日常の一部になってきている今。
空飛ぶクルマで移動する日ももうすぐそこまで来ているんじゃないかと、一度は考えたことがある人もいるのではないでしょうか。
今までは空を移動することができるのは飛行機パイロットなどの限られた職業の人たちでした。
ですが、誰でも自由に空を移動できる社会の実現に向けて奔走されていらっしゃる方がいます。

その方は、株式会社トルビズオン代表取締役の増本衛氏です。
今回はドローン航行支援システムsora:shareによる「空の道」構築を通じて、「空の町おこし」に貢献されている増本氏の想いや今後の展望など、とても濃密なお話をお聞かせいただきました!

 

ドローンに携わって約7年!ドローンへの熱い想いの源

今では「ガイアの夜明け」など様々なメディアに取り上げられ、誰もが空を自由に移動できる将来に向けて活動されている増本氏が、現在に至るまでのお話をお伺いしました。

▲テレビ取材を受ける増本氏

ドローンとの出会いとは

まずは増本氏がドローンに携わるお仕事をされるようになったキッカケをお伺いしました。

増本氏―――
ドローンとの出会いは本当に偶然でした。
元々は映像制作の仕事に携わっていて、いろんな映像表現を探している中で、空からの表現もありだなと思っていました。
そんな時に、地域で開催されていたドローン展に行ったんですよ。
そこで見たDJIの空撮映像を始めて見て衝撃を受けました!
「こんなにブレずにきれいに撮影できるんだ!」と思い、即購入しましたね(笑)

増本氏が思うドローンの魅力とは

そんな衝撃的なドローンとの出会いをされて、早7年。
ドローンに携わり続けておられる増本氏に、ドローンについての魅力を伺うと。。。

増本氏―――
今でこそドローンは誰もが知っていますが、当時は革命的でしたね。
始めは空撮に活用するところから始めましたが、ドローンには無限の可能性を感じていました!
「ドローンがあれば色々な事業展開ができそう!」と思いました。
ドローン登場以前は、航空産業など限られたプレイヤーしか上空を活用したビジネスに参入できなかったのですが、ドローンが登場したことで、多様な事業者が空のビジネスに参入しています。
まさに空の自由化・民主化の時代が到来した!と言えるのではないでしょうか。
Kanattaさんのドローンジョプラスメンバーのような女性のご活躍も、空の産業革命の担い手たちの多様性を象徴する動きではないでしょうか?
パイロット、軍事関係者やラジコンなども含め、空関係のお仕事は何となく男性が担当するイメージでした。
しかし、ドローンがその壁を壊しました。
これこそが「平等に空を使うことができる時代への入口となるツールなんだ!」と衝撃を受けたことを覚えています。
さらにドローンはモビリティとしての活用ニーズが大きく、少子高齢化等で閉塞した日本社会の課題を打破する「象徴」になるのではと直感しました。

ドローンで実現する社会変革の可能性に対する強い想いが伝わってきました。

 

空の自由化に向けての道のり

ドローンによって広がる可能性について、少しずつ社会でも認識され始めている今でも課題はあると話される増本氏。
そんな増本氏に、これまでのご経験や強い意思を持って取り組まれている理由について聞いてみました。

▲自治体主催の企業家ツアーに参加し、サンフランシスコの事業者と提携を決めた増本氏

ドローンが出回り始めた当初、世間からの印象はいかがでしたか?

増本氏―――
最初、世間からのドローンの評判は最悪でしたね!
おもちゃと言われるのはまだ良い方で、ドローンに携わることで当時は変人扱いされていました。
総理官邸に落ちたり、お祭りドローン少年などのニュースが世間に流れていて、
「犯罪に使うんですか?目立ちたいだけでしょ?」
というような負のコメントが多くて、周囲には怪しい事業と思われていたようです。
今やドローン操縦士ならだれもが一度は触ったことのあるであろうDJIでさえ、中国製ということで印象はよくありませんでした。
そんな時でも私は、ドローンもツール(道具)なので万能ではないが間違いなく大きなビジネスになると、大きな可能性を感じていましたが。

ドローンが創るこれからの時代への確信とは

増本氏―――
むしろ私はドローンと出会ってすぐ、ドローンはこれからの時代を創ると確信しました。
まずは、ドローンに使われている技術に興味を持ちました。
当時から姿勢制御やジンバルの技術などは、ほぼ確立されていました。
ヘリコプターでしか実現できなかった航空業務を10万円程度のドローンで実現することができる。
GPS精度や障害物検知、自動操縦など、今でもその技術力はどんどん高まっていますが、当時から驚きの性能だったことを記憶しています。

空撮機能だけで留まらないドローンの技術力をさらに研究するため、実際に使われている現場を見るため、当時、日本よりもはるかにドローン技術が発展してた海外へ行きました。
アメリカ・サンフランシスコ、中国・深圳、台湾、フランス・ボルドー等を武者修行のように回りました。
当時、国内には存在していなかったドローン技術による災害調査や測量、農業等で使われる自律飛行、リモートセンシングなどの活用実例がたくさんありました。
その結果、自社でメインとしていた空撮業務を産業向けに切り替えることとし、海外企業と提携を進め、最新のノウハウを蓄積することができました。

▲世界各国でドローンの産業利用研究をされる増本氏

当時、世界のドローン関連情報は国内でも入手できましたが、開発者からの一次情報など、現地に行かないと分からないことはたくさんあります。
そこで海外の現地情報を日本に持ち帰り、2016年から2017年は空撮事業やドローンスクールを運営する片手間に、この技術を用いたドローンで実証実験を繰り返していました。
当時は今後の見通しも分かりませんでしたが、地場企業などと連携しながらボランティアで実証実験を継続して実績を積みました。
その経験を通じてドローン産業活用の可能性について確信していきました。
そして現在のメイン事業であるドローン航行支援システムsora:shareの発想を得たのも、この頃のことでした。
ドローンの定期航路「空の道」を構築するにあたり、空路直下に暮らす人々からの合意取得を自動化するプラットホームです。
着想してすぐにビジネモデル特許取得の準備をし、出願と同時に発表したのです。

「空の道」実現までの苦難の道のり

増本氏―――
苦労や苦難は現在進行形でたくさんありますね(笑)
sora:shareの「空の道」は、実際に目に見えないため分かりにくいです。
また空の道直下に暮らす人々からの合意取得というビジネスの事業モデルについても、正確な理解を得ることが難しいです。
国や自治体、関係事業者、そして地域の方と根気強くコミュニケーションを取らないと、誤解を招くことに繋がりかねません。
基本的に、ドローンの定期空路直下に暮らす人々には、墜落等の今まで存在しなかった新しいリスクが発生します。
だからと言って、地域の方に立ち退きをさせることは難しいでしょう。
「墜落したら保証をするから合意は一切必要ない」という訳でもない。
万一、墜落で死者が出てしまったら、もちろんお金で解決するだけでは済みません。
そもそも、なぜ合意も取らずにウチの上を飛ばしたのか?誰が決めたのか?そのような議論が発生するかもしれません。

だからこそ、一人一人の地域の方に、正しくそのリスクを理解をして頂き、合意をしっかりと取っていく必要があると考えるのです。
事前合意があれば、空路直下の人々もドローン接近時には気をつけるはずです。
さらに、「安心安全なドローン空路を街づくりに活かしていく」という志で地域の人も巻き込みながら、みんなで空路を作っていくことも大切です。
sora:shareではこの発想を第一に考え、地域の社会受容性を高めることに貢献しています。

▲「空の道」空路イメージ(国内ビジネスモデル特許取得、sora:shareスカイドメイン®️)

 

増本氏が思うドローンの今後の可能性と展望

衝撃的な出会いを経て、ドローンがもたらす可能性を誰よりも信じ、行動され続けてきた増本氏が思い描かれている、これからの時代への想いについてお伺いしました!

▲中国(広州:EHANG社)にて人を運ぶドローンに乗る増本氏

増本氏―――
2022年航空法改正にむけて、ライセンスや機体検定制度などの法整備が決まり、国内ドローン産業の技術力も日進月歩で高まっています。
我々はsora:shareを通して、人々のドローンに対する社会受容性向上に貢献します。
ドローンはあくまでツール(道具)で、空を飛ぶ箱です。
何をその「箱」に搭載するのか、どのように利活用するのかでドローンは兵器にもなりうるものです。
ドローン事業者がドローン活用を検討する際は、地域との対話を通して真のニーズを引き出し、提供するという謙虚な活動が大切です。
プロダクトアウトの自己満足な発想で事業投資をするのではなく、地域を巻き込みながら創っていくことが極めて重要であります。

私の夢は、「ドローン空路のインフラを創ること」
近い将来、巨大な空飛ぶクルマが空を飛び交う時代が来るでしょう。
実現するには、さらに大きなハードルがあるでしょう。
それを乗り越えるための最初の一歩として、ドローンが社会に受け入れられることが絶対条件です。
なので我々は、「道本事業モデル」を提唱することで安心安全な空の利活用を推進し、ドローンに対する社会受容性を高める活動を続けていきます。
地上を離れて、3次元を自由に使うことができる時代が楽しみですね!

 

まとめ

今回はこれからのドローンが創る「空の可能性」をより広げるべく活動されている増本氏にお話をお伺いしました。
お話を聞いていて、増本氏が思い描かれている近未来に私も胸が高鳴りました!
「空の可能性」を広げる活動をドローンジョプラスとしても全力で応援しますし、同じ空で活動するもの同士でコラボレートしていきたいと思います。

ドローンが広げる「空の可能性」に今後も期待ですね!

▼詳しい活動はこちら▼
トルビズオン公式HP

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