空の産業革命!注目を集める産業ドローンの可能性と求められる人材とは?

空撮やイベント、インフラ点検など、さまざまな業界で活躍の場が広がっているドローン。

とくに農業や測量、物流などの業界で使われる「産業ドローン」は、市場規模もたった5年で約4倍と急成長を遂げています。

また、産業ドローンの需要が拡大していくにつれて、ドローンパイロットを必要とする新たなビジネスが生まれるため、産業ドローンのパイロットもこれから更に必要な人材として求められています。

今回は産業 ドローンに注目し、ドローン業界の現状や今後の動きについて触れながら、具体的にどういった人材が求められているのかを紹介していきます。

 ※参考:「ドローン機体ビジネスの動向について」(財務局)

産業ドローンとは

 幅広い分野で活用される「産業ドローン」は、業務の効率化や人手不足の解消など、これまで人間が行っていた作業をドローンが担うことができるというメリットもあり、その活躍の場を広げています。

「産業用ドローン」は、点検・測量・農業・警備・物流など、産業分野において特定の用途で使われることを前提としており、カメラ機能や長時間飛行できるようなバッテリー、機体の頑丈さ、耐久性など、求められる機能は多種多様です。

価格についても用途によって機能がカスタマイズされるため一般的なドローンと比べると比較的価格が高くなる傾向にあります。

ドローンの市場規模と分類

 2015年に法的規制や許可が成立されたことでドローンビジネスは年々驚異的なスピードで成長しており、ドローンの世界全体の市場規模は、2025年までに2023年の約2倍になると言われています。2022年12月には、レベル4のドローン操縦が可能になったことでさらに追い風となり、様々な産業分野でドローンの実用化・商用化が促進されています。

 ※参考:「ドローン機体ビジネスの動向について」(財務局)

ドローンビジネスの市場は「機体」「サービス」「周辺サービス」で構成され、メインの売上は以下のようになっています。

①機体市場 : 産業ドローンの製造・販売など

②サービス市場 : 産業ドローンを活用したサービスなど

③周辺サービス市場 : 定期メンテナンス費用、人材育成、任意保険など

この中で最も伸びているのが「サービス市場」で、2020年に東京都が発表した産業ドローンに関する報告では、「サービス市場」は2018年から2030年にかけて約14倍と大きく拡大し、2030年には市場全体の約半分を占める見込みと報告されています。

参考:「東京都における産業用ドローンの市場規模の推計と予測」(概要版)

サービス市場の今後の動き

 ドローンビジネス市場の中でも成長市場である「サービス」の分野は多岐にわたりますが、その中でも多くの売上を占める3分野について、現状と今後の動きについて紹介します。

1)点検サービス 

サービス市場の中でも点検分野は全体の約半分の売上を占めており、市場規模は780億円となっています。5年後の2028年には約2.8倍の2,145億円にまで拡大すると言われています。

人間が現地にいなくても点検ができるというメリットを活かして、ダム点検や建物の屋根、高所点検など、最小限の人員で短期間のうちに点検ができるため、今後もさらに需要が高まることが期待されています。

2)農業サービス

2023年時点での市場規模は497億円と、サービス市場の売上においては点検分野に次いで2番目となっています。

農薬散布や種の散布など、農業で重労働となる作業を効率化することが期待されて利用が広がってきています。一例で農業散布用ドローンは1分で1,000平米もの広さに農薬散布ができるため、作業時間を大幅に短縮することで作業を効率化できることから、様々な工程で人手が必要な農業分野において産業ドローンの活躍の場が広がっています。

3)物流サービス

サービス市場の中でもこれから成長が見込まれている分野で、市場規模も5年後には現在の約23倍の863億円と驚異的なスピードで拡大すると予測されています。

ネット通販の普及により、人手不足が問題となっている物流業界において、今後のドローンの活用方法には注目が集まっており、目視外飛行が実現化したことで市場にドローンが参入するチャンスが増えています。

運用方法については、現在検証段階のものが多くありますが、自動運転などによってひとの手を介さずにものを運ぶサービスが生まれる可能性もあります。

こうした産業ドローン市場の拡大は、今後これからの私たちの生活を支えるサービスの向上など、生活の利便性を上げていくことに貢献してくれるかもしれませんね!

まとめ

 今回は、産業ドローンの市場規模から今後の動きについて紹介しました。

今後は、様々な産業にドローンが活用されることで、業務の効率化やサービスの向上が実現できる可能性がわかりました。

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