今から始めよう!ドローンプログラミング入門

ここ数年でドローン産業は大きく成長しており、ドローンを活用する分野は広がりを見せています。

ドローンを活用する中で、ドローンショーで大量のドローンを同時に動かすことや農薬散布、施設の点検などの複雑な動きが必要となってくるという制御面で「プログラミング」についても着目されるようになってきました。

複雑な動きや一度に大量のドローンを動かすといった難易度の高い制御を行う上で、ドローンでも「プログラミング」活用が増えており、ドローンの「プログラミング」教育の需要も増えてきています。

今回は、これからドローンに関するプログラミング知識を付けていきたいという方やドローンで仕事をしていこうと考えている方に向けて、ドローンにおけるプログラミングの活用例などを紹介しながら、キャリアの可能性を広げる参考になればと思います。

ドローンにおけるプログラミングとは?

 産業ドローンや空撮ドローンなど、近年様々な用途で使われているドローン。身近なものでいうと、カメラが搭載された空撮用ドローンや点検や農薬散布などで使われる産業用ドローンなど、遠隔操作による操縦が多いですが、最近ではプログラミングによる自動操縦も注目されているのをご存知でしょうか。

 最近の事例を挙げると、2021年7月に行われた東京オリンピック2020の開会式でのドローンによる演出でしょう。1824台ものドローンを使い、まるでCGだと勘違いしてしまうレベルの精密さで演出されたこのショーは、人の操作ではなく、プログラミングによる自動操縦で作られたものです。

五輪で話題となった「ドローンショー」https://mainichi.jp/articles/20210818/k00/00m/020/337000c

 

ドローンのプログラミングではどんなことをしているの?

 ドローンを制御するために使用されているソフトウェアは、大きく分けて3つの開発分野があり、

①ドローンの姿勢、方位、速度、高度など、機体の運動をコントロールし、機体の制御を行う「飛行制御・自動操縦」

②空撮用ドローンが搭載しているカメラのブレを防ぐジンバル制御のためのソフトウェアなど、ドローンの機体に搭載されてる自動操縦以外の目的をもった「アプリケーション」

③空撮時の動画や画像データ、点検時の検査対象のヒートマップデータなど、ドローンを通じて取得したデータを処理・解析して有用性を高める「データ解析」

が存在します。

 これらのドローンを制御するソフトウェアには「C言語、C++」「Python(パイソン)」「Scratch(スクラッチ)」が利用されており、プログラミングの軽量化や機械学習などが必要な場面、様々なハードウェアやOSに対応する場面、ドローンの教育分野での活用といった、色々な状況に対応できるように様々なプログラミング言語が利用されています。

 ドローンの利用目的に応じたソフトウェア開発が最適なプログラミング言語を用いて行われていますが、実際に開発を行う際の工程についても簡単に紹介します。

①企画フェーズ

ドローンの機体や搭載プログラムのコンセプトや機能を企画します。

社内の開発会議やクライアントの要望、社会的ニーズの高まりなどを元に、どのような機能を搭載したドローンを開発すべきか方向性を決定します。

②検証フェーズ

企画フェーズで決定したコンセプトや機能のソフトウェアを開発し、テスト動作を行うフェーズとなり、想定通りに機体が動作するか・ソフトウェアが機能するかなどを検証し、データ収集を行ったうえで不具合がある場合は修正を行います。

③実装フェーズ

検証フェーズで行った不具合修正や改良などが完了したあと、実際に製品化に向けた動きをするフェーズであり、世界的なトレンドや最新技術も導入しながら、ユーザーにとって使いやすい機体・機能の開発や調整を行います。

 このように、各工程でそれぞれのドローンの用途に合わせた機能をカスタマイズしていくのがドローンのプログラミングになります。企画から実装、検証までドローン開発の全工程を俯瞰する必要があるため、さまざまな分野の知識を幅広く吸収し、あらゆる角度から新しい切り口を探していける発想力が求められます。

 また、ドローンはまだこれからの分野のため、新しい技術を積極的に吸収する姿勢や柔軟性、より立体的にドローンをとらえて開発に臨むスキルがドローンプログラミングには求められます。

ドローンプログラミングが活躍するシーンとは?

 次に、ドローンプログラミングがどのような場面で活用されるのかを紹介していきます。

 プログラミングによって実現できることとしては、「自動操縦」、「ドローン空撮」、「センサーによるデータ収集」など多岐にわたります。

 ドローンは農業分野に活用することで「スマート農業」にも一役買っており、人口が減少している地域や高齢化が進んでいる地域では、農家の高齢化や担い手不足の問題により、人手不足が深刻化しています。ドローンを活用することで、農作業の負担を軽減することができたり、経験の少ないひとでも誰もが取り組みやすい農業環境を提供することができます。

 最近では、農薬散布・採種作業などにドローンを導入する農家も増えつつあり、農薬散布にかかる時間を5分の1程度に短縮できるなど、ドローンの自動化によって農業の新たな可能性が広がっています。

 そのほかにも、物流分野でもドローンは活用されており、「スマート物流」の実用化に向けて過疎部を中心にドローン宅配の試験が活発に行われ始めています。

 高齢化が進む地域や過疎地において、買い物難民は今後10年間で約4割増加すると言われており、その地域のニーズに合わせた機能をカスタマイズするドローンプログラミングは、これからさらに注目されていくでしょう。

ドローンプログラミングで得られるもの

 その活用例が多岐にわたるドローンプログラミングですが、実は教育分野でも注目されています。

 「論理的な思考を身につけること」、「IT社会に積極的にかかわる人材を育むこと」を目的として2020年に小学校において必修化されたプログラミング教育ですが、ドローンを通じてプログラミングを学ぶことで、プログラミングを実践的に学ぶことができます。

 具体的には、以下のメリットが挙げられます。

①視覚的フィードバックによる直感的な学習

 ドローンの動きを制御するプログラミングを通じて、直感的な視覚的フィードバックを得ることができます。一般的なプログラミングは、コンピューター上で表示されるため、理解するのが難しいといわれていますが、プログラムの変更や新機能の追加によりドローンの飛行や動作が変化することで、学習者は自身のプログラミングの結果をリアルタイムで視覚的に確認し、理解を深めることができます。

②実践的なスキルと経験の獲得

 実際自分で作成したプログラミングを通じて問題解決やロジカルシンキングのスキルを磨くことができます。動きを考える、動かす、確認する、結果をもとにやり直すというPDCAサイクルを自然と回すので、エラーのトラブルシューティングや改善のための実践的なスキルも身につけることができます。

 私たち、ドローンジョプラスも定期的に「ドローン」×「プログラミング」のイベントを小学生とその家族を対象に開催していますが、様々なドローンを使ったカリキュラムを通して、「プログラミング」の楽しさを伝えることを目指して、日々取り組んでいます。

まとめ

 今回はドローンのプログラミングについて紹介しました。 

 ビジネスの現場でドローンの導入が進むほど、プログラミングの重要性は高まっていくと考えられ、ドローンのプログラミングを知っていることが武器になっていくかもしれません。このことから、ドローンパイロットには、ドローンの最新情報や最新技術などの収集を継続的にしていくことが求められるようになっていくと考えられます。

 ドローンジョプラスでは、ドローンに関する情報交換やゲストによる講演を中⼼とした「メンバーミーティング」やドローン空撮企画に加え、2023年7月より株式会社ハミングバードドローンスクール東京と協業を開始し、ドローンに関するイベントなどを定期的に開催しています。

 この他にも、ドローンスクールの開校も2023年中に予定しており、ドローンに関する最新情報の収集やドローンパイロットの技術向上などに貢献できるような取り組みを進めています。

 →ハミングバードと合同練習会を開催

ドローンジョプラスについて、ドローンについて気になった方はぜひ一度勉強会に足を運んでみてください。

☆ドローンジョプラスへのお仕事の依頼はこちらまで☆
☆ドローンの情報やドローンジョプラスの活動をもっと知りたい方は、今すぐ登録

Translate »