【ドローン仏】三浦耀山(みうら ようざん)氏の挑戦

今回は、京都市で仏像彫刻や仏像修理を行っている仏師の三浦耀山(みうら ようざん)氏にお話を聞かせて頂きました。
三浦氏は会社員から仏師に転向した異例の経歴を持ち、最近ではドローンを使って仏像を宙に飛ばす「ドローン仏」の制作者として多くのメディアに取り上げられ、SNSでも話題沸騰中の方です。
伝統技法を受け継ぎながら、新しいことにもチャレンジされ、仏教の世界をよりリアルに表現されています。

 

SNSで発信された「ドローン仏」の反響はいかがでしたか?

6月4日にSNSで発信後、日本のテレビ局やネットニュースからたくさんの取材依頼があり記事にもしていただきました。
また「ドローン仏」の映像は日本国内に留まらず、台湾の記事にも取り上げていただきました。
「仏教」という共通点から、世界中の方々に注目していただき、多くの反響をいただいております。

SNSで話題となった「ドローン仏」の映像はこちら!

 

三浦氏が仏師を目指したきっかけは?

初めから仏師を志していたわけではなく、「見仏記(けんぶつき)」という仏像を解説している書籍を読んだことがきっかけで興味を持ちました。
最初は仏像を眺めているだけでしたが、自分でも彫ってみたいと思うようになり、その時に求人広告で仏師の募集をみつけ、思い切ってこの世界に飛び込みました。


(写真:町田益宏氏)

 

仏師になってからドローン仏を思いつくまでの経緯はいかがですか?

はじめはドローンで仏像を飛行させようなんて思ってもいませんでしたが、仏像を宙に浮かせたいという思いは持っていました。
仏教の教えに阿弥陀来迎(あみだらいごう)というものがあります。
これは人が亡くなるときに阿弥陀如来(あみだにょらい)が多くの菩薩(ぼさつ)を引き連れて、紫雲(しうん)に乗って西方極楽浄土(さいほうごくらくじょうど)からお迎えに来ることを言います。


(写真:町田益宏氏)

仏師の方はお迎えに来る仏様を再現しようと、仏像が宙に浮いているように見える表現を昔から試行錯誤していました。
例えば、京都の宇治市にある平等院鳳凰堂では雲中供養菩薩(うんちゅうくようぼさつ)を雲の台座に載せ御堂の壁の高所に張り付けたり、また別の仏像は細い系で吊り上げたりと、様々な表現で仏像が宙に浮いて見える工夫がなされていました。

仏像を宙に浮かせるために、一時は電磁石を使って試みましたが、これでは仏様がお迎えに来るという「動き」を表現することはできません。
そこで目をつけたのが手軽に手に入れることができたドローンでした。


(写真:町田益宏氏)

はじめはドローンの上に仏像を載せる際に、重量オーバーで思うように飛びませんでしたが、金属や木材ではなく特殊な樹脂に変え、3Dプリンターも駆使しながら仏像の軽量化に成功し「ドローン仏」が実現しました。
ドローン仏の飛行は、想像に以上に仏様のお迎え感があり、ドローンのプロペラから吹く風もどこか神秘的なものを感じることができます。

 

今後について

現在は「阿弥陀如来(あみだにょらい)」「観音菩薩(かんのんぼさつ)」「勢至菩薩(せいしぼさつ)」の3体でドローン仏の飛行を行なっていますが、本来の阿弥陀来迎は26体の仏様が迎えに来てくれるものです。
そのため、26体のドローン仏を制作し、お寺で飛行させることが今の目標です。
また、2025年の大阪万博を発表の場にして、26体のドローン仏を群体飛行させることができたら面白いかもしれません。

 

今回はドローン仏を制作された三浦耀山氏にお話を聞かせていただきました。
インタビューを通して印象的だったことは、仏像制作の伝統技法を受け継ぎながらも、これまでの常識や価値観にとらわれることなく挑戦されている三浦氏の姿や、仏教の世界をリアルに表現していきたいという仏師の方の想いでした。

ドローンジョプラスでは今後とも三浦氏の活動を応援するとともに、一緒にコラボして挑戦できればと思います。

【公式】土御門仏所HP
【公式】仏像ワールドHP 三浦耀山(みうら ようざん)

 

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