日本財団が主導する「海と日本PROJECT」は、
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、
引用:海と日本PROJECT【日本財団】https://uminohi.jp/project/
ときに心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。
そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、
子供たちをはじめ全国の人たちが「自分ごと」としてとらえ、
海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、
日本財団、総合海洋政策本部、国土交通省の旗振りのもと、
オールジャパンで推進するプロジェクトです。
このプロジェクトで助成を受けながら運営している「バーチャルオーシャンプロジェクト」の代表である並河氏に、発足のきっかけや海をもっと身近に感じるための取り組み、今後の展望をお伺いしました。
並河氏—
日本財団が主催する「海と日本プロジェクト」と一緒に、地球温暖化や海の酸性化、海のプラスチックゴミ問題といった海の問題を何とかしようとプロジェクトを立ち上げ、活動をしています。
この活動を伝えていく上で、教育の観点って大事だよねって話があって、楽しみながら体験型の授業や学びの機会を提供しようとなりました。
その中で、水中ドローンを使えば海に行かなくても海の様子が見れたり、海の中を泳いでいるような感じを味わえて、より海が身近になったり、より海のことを考えるきっかけになるのではないかと話して、実際にやってみよう!ということでプロジェクトが立ち上がりました。
海の問題の学び×水中ドローンといった教育的事業をスタートさせました。
並河氏—
水中ドローンはダムや橋、船の点検といった産業分野で活躍しています。加えて、最近は牡蠣の養殖場や魚の養殖現場で生育状況をチェックしたり、災害救助の現場で行方不明者を探すために、水中ドローンをダイバーの代わりに使うことが多いですね。
教育現場やレジャーでも活用はされていますが、まだまだこれからですね。
空飛ぶドローンの進化と同じで、初めは産業用としてのドローンが主流となり、そこからどんどん手軽に使える機体が出てきて、レジャーや他の用途に使われるフェーズに入ってきていますね。
並河氏—
一昨年は、VRを使って水中ドローンの操作ができる体験会をやっていました。VRゴーグルをかぶると、そこにコックピットがあって、その周り360度にはリアルタイムの海の映像が表示されます。コックピットにあるレバーを動かすと実際に水中ドローンが動いて、まるで水中ドローンに乗っているかのような体験ができるものを作りました。
最初は水族館に来た方に体験してもらい、同時に海の問題を伝えるといったことをやっていたのですが、去年頃からコロナ禍の影響で一般の方が利用できなくなってしまったんです。
そこで、こういった水中ドローンを使って遠隔で海の様子を伝えるのに適している場所はどこかと考えた時に、院内学級が候補に上がりました。
院内学級とは、怪我や病気のために入院している子供のために、病院内にある学校です。
その子供達は環境的、または自分が持っている障害のために海に行けないので、実際に水中ドローンを使ってもらい、海で泳いでいるような感覚を味わってもらいつつ、そこに教育要素を含めるといったことを去年、今年あたりからやっていってます。
HPをリニューアルした際にその内容を掲載したところ、今年も院内学級では3校実施して、来年も実施する計画があります。
他にも、海でゴミ拾いをやっている団体から子供たちに遠隔で授業をしてもらえないか?といった連絡もあります。
今までメインは院内学級でしたが、HPを立ち上げたこともあって、これから院内学級以外の子供たちにも広げていこうと考えています。
これまでは助成金を使って無料でやってましたが、有料のコンテンツを作って収益化も図っていこうとしています。
Zoomを使って授業する、水中ドローンで撮った映像を使ってZoom越しに仮想空間の映像を動かすシステムを作っています。Zoomが繋がれば、子供たちに体験も交えた授業もできるといったものを広めていこうと考えています。
並河氏—
結構いいものを作ったという自負があり、一回体験してもらったら体感してリピーターになってもらう自信はあります。今後は事業規模を拡大するにあたり、コストを下げるのか?や運用を少なくするのか?といったことを考えるフェーズに入っています。
ドローン目線から話をすると、水中ドローン自体を運用する費用が高いですし、水中ドローンは空のドローンに比べて触ったことがないという人も多いです。実際に水中でドローンを動かすとなると2台体制で入れ替えて操作する必要もあります。壊れたからといってそんな簡単にパーツが売っていないので、もっと普及することで安い価格帯の水中ドローンも世の中に増えるとありがたいと感じています。
そのことが運用のしやすさやコスト削減に響いて、いろんな場所や施設でより手軽にできることに繋がります。
並河氏—
水中ドローンは空飛ぶドローンのような法規制がなく、現在はいつどこで動かしても基本的に大丈夫なんです。これはそのうち問題になると思っていますが(笑)
法的なルールはないのですが、漁業組合の方に了承を得るなど取り決めのようなものがあったりします。
これは空飛ぶドローンの数年前の状況と一緒で、どこで飛ばしても良かったところから、世の中に普及するにつれて、法規制が敷かれていきましたよね。
海の中だと水中ドローンでサンゴ礁を撮りたくなりますが、下手するとサンゴ礁にぶつかって折れたりしてしまう可能性がある、それでは環境破壊に繋がってしまう危険性があります。
ドローン自体ラジコンのようなものですが、水中ドローンは空飛ぶドローンよりも操作が簡単なんです。なぜかと言うと、まず落ちないですし、ワイヤーで繋がっている、そしてそこまでスピードを出すことがなく、ゆっくり動かして周りを監視すると行った使い方をするからです。
水中で何かトラブルがあったら、そのワイヤーを引っ張りあげればいいのです。
素人の方でも、10分も練習すれば操縦できるようになります。
今後は、水中ドローンにアームをつけてエサを持たせることで、集まって来た魚を撮影できるといったレジャーにも活用できるかなと考えています。
並河氏—
「これからこうなったらいいな」と院内学級の生徒に話しているのは、遠隔操作で水中ドローンを使った仕事が出来る未来です。例えば、牡蠣の養殖の監視や点検を現場に行かずに家に居ながら、また障害を持った状態でも水中ドローンを操作することで仕事ができるといった感じです。
僕たち”水中ドローンダイバー”と名付けて、遠隔で仕事ができるようになるといいなと思います。
バーチャルオーシャンプロジェクトは教育をメインとして、水中ドローンを動かしたり、水中ドローンを使って撮影した映像を使うことによって、まずは院内学級から一般の生徒さんや海外の人といった風に活動の幅を広げていきたいと考えています。
今年は水中ドローンに搭載した360度カメラで撮影した映像を利用し、VR空間内に「海の中にある教室」を作ろうと思っています。
そして、そのVR空間内に生徒さんが複数人同時に入ることで、まるで海の中にいながら皆で授業を受けられるようなイベントを企画しています。
バーチャルオーシャンプロジェクトを通して、海の問題を考えたり、水中ドローンを遠隔操作する新たな仕事を創っていく面白さを教えていただきました。
並河氏は、終始プロジェクトのことを楽しそうに話していらっしゃって、この水中ドローンを用いてVR体験ができるものを作ったという自負と、それを使っていろんなことができるという可能性にワクワクしているのが伝わって来ました。私も水中ドローンの未来が本当に楽しみになりました。
私たちが運営するドローンジョプラスも、今後は水中ドローンにもチャレンジの場を広げ、バーチャルオーシャンプロジェクトとコラボレートしたり、空中と水中を同時にドローンで疑似体験できるようなイベントを一緒に作り上げることができたら面白いですね!
また、バーチャルオーシャンプロジェクトでの授業実施に興味のある院内学級や一般の学校、団体の方がいらっしゃいましたら、下記HPからお気軽にお問い合わせください。
バーチャルオーシャンプロジェクトHP:https://www.virtualocean.jp/
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